こんちは。
あきらです。
うっかり車に轢かれてしまって、これはしゃーない!これは引きこもるしかない!って思ってたら、何か知らんけど土木会社に「車椅子用意するから研修しにきて!」と呼ばれ、戦々恐々してますあきらです。
本日は「レベル」って言われてる測量器材の使い方を教えてきました。
いや、そんなもん大学で習うだろ!と思ったんですが、
最近の学生マジでなんもオボエテナイ・・・
困ったもんだぜ。
レベルとは
そもそもレベルって知ってます?
まあ知らんわな。
↓↓こういうやつです。
なんか小汚いおじさんたちが、汗水たらしながらカメラ覗いてるじゃないですか。
アレです。
アレは決して女子高生とかOLさんとか覗いてるわけではなくて、
簡単に言うと「高さ」を覗いてるんですね。
「ちょっと何言ってるかわからない」という声が聞こえてきそうですが、
まず「据付」って作業がありまして、
三脚を水平に据えるわけです。
この「据付」って作業が早いとモテます。
マジでモテる。
現場監督とか土方にモテモテ。
女子高生とかOLさんにはモテない。
二点を固定して、もう一個の足を調節するというやり方が一般的ですね。
これ何の記事でしたっけ?
レベルには水平器が付いているので、
重力方向にたいして気泡を合わせることによって、
重力方向に垂直な「完全水平」が取れるわけです。
完全水平から見たら完全水平な目線でモノの高さが見れるので、
スタッフと呼ばれる長尺の定規を基準点に置いたら遠くの高さも基準高さからの高さが取れるわけですね。
↓↓こういうやつ
そうだね、何言ってるかわかんないね。
日々、雪の日も灼熱の日も現場に出てる強面の人たちは、実はこんな計算をしてるんですね。尊敬してあげてください。パンツくらい見せても損はないと思います知らんけど。
なんで測量なんてしてんの?
そもそもなんで高さ測るの?って一部の人から言われます。
一番分かりやすい例は「水道管」。
水道管って順勾配だから流れる。
当たり前ですね。
じゃあコレがもし逆勾配になったらどうなる?っていうのを考えてみればわかると思います。
基準点(仮ベンチマーク)で据付を行ってその高さを参考に、レベルで各点のスタッフを見て、値を計測して初めて、
僕らが住んでいる土地の勾配がわかる。
普段住んでいて「(ペロッ)…!?ここはあっちの家よりも10㎝高いぞ…」なんてわかるわけない。
だけど勾配が想像と逆だったらどうなるのか。
本来流れて欲しい方向に水が流れなくなり、
その地域が水浸しになってしまう。
1つの計算ミスが、そういった事態を引き起こしてしまうんですね。
しかも集中力が削がれる灼熱のアスファルトの上で、
しかも小学生やサラリーマンが普通に通る道の上で、
しかも汚いだの、汗臭いだのいわれながら怪訝な目で見られながら、
しかも傍からみると覗きをしてる人と、棒をゆっくり振っている人。
車ももちろんビュンビュン通ります。
ある時は車道のど真ん中でレベル見なきゃいけないときもある。
車からしたら邪魔だからクラクション鳴らされ、「邪魔」だと罵られることもある。
ホントに尊敬します。
パンツみせても損はn
測量って何してんの?
そもそもレベル測量ってどんな計算してんのって話ですが、
例えば下図のような地面があるとして
人が立ってるところから①~⑤の高さを求めたい。
そもそも「高さ」ってなんだろう?って考えたときに、
赤線で引いているGLと呼ばれる地中の基準高さというものがあるんですね。
そこからの高さを土木では「高さ」といいます。
もちろんそれは地中にあるので掘り出すなんてできません。
ただ高さを計るだけですから。
そこで先人たちが基準点というものを置いてくれているんです。
↓↓こういうやつですね。
ここの高さはXXXmです!というように国交省などで定められているわけです。
こちらは不変となる基準点なのでこちらの高さをまず測る。
「え?もう定められてるなら測らなくていいじゃん!馬鹿なの?」
って思った方。
こんな地面ギリギリの高さにあるビスをどうやって測るんだって話ですわ。
だからスタッフというものが存在するわけですね。
下のように高さを計るわけです。
毎回GLという絶対標高からの高さを参照することによって、
三脚をどの高さで立てても計測スタッフ高を除してあげれば、
その点の標高がわかるということですね。
①を測るときは、先ほどの基準点高さ+スタッフ高さから①の点でのスタッフ高さを引いてあげれば、実際の地面高さが計測できるわけです。
こういう技術が、先人たちによって築かれているんです。
決して、決して!レベル覗いてるときに!素敵な女性とかみてたりは!してないですからね!!!!!!!!!!!!!
野帳とは
はい、やっと中身の話。
じゃあこれ計測したものって、どうやって記録してんの?
というお話。
土木ですからね。
ぶっちゃけアナログです。
で、これ結構電子野帳とか大〇組さんとか開発してくれてるんですけど、
やっぱりアナログなんですわ。
↓↓こんな記事がnewsになるくらい
まず野帳ってなに?
って話ですね。
簡単に言うと、手帳です。
↓↓こんなん
で、中身はどんなこと書いてるかっていうと、
こんな記述をしてるんですね。
今はテキトーにExcelで作りましたけど、
これアナログでやるんですね。
そして多重チェック。
詳細は省きますけど、まぁGH(標高)を電卓使ってポチポチ算出するわけです。
ええ、当時思いました。
「「「「「やってられるか!!!」」」」」」
雨降ってきたら、
「急げ!野帳が濡れるぞ!」
とか言うわけです。
Power Appsで作った
現場の測量研修でクッソ暇だったので、測量教えながら暇な時間に電子野帳(レベル測量)を作ってみた。
設計は30分くらい、相変わらずデザインに1時間くらいかけた。
今回はレストランのメニュー風にしてみました。
こんなん。
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アナログはすごい
何がスゴイって、この積み重ねでこの地面や道路や、もっと言えば橋梁や高速道路が建設されています。
土木や建築の機械ってすっごくアナログなんです。
そしてアナログじゃないとできないことも多数ある。
私は今やアプリ開発者ですが、たまたま色んな業界を知っています。
土木も建築も自動車もインテリアも、その中でも設計も現場も、CADもCAMもマシニングも平板研磨も、掘削工も水道管布設も勾配シミュレーションも砕石の見積の仕方も単価計算も。
夏の日に高速道路の橋台のてっぺんで左官を徹夜でやったこともある。
先輩や上司に言われるがままやってることですら、何故?と考えていくと歴史があり、何故そういう方法や工法に至ったのか理由がある。
何十年も最適化され続けてきた技術がある。
それを知って初めて、業務改善や最適化を行うべきだと私は思う。
読者の方はあたまでっかちでアナログ技術を笑うアホエンジニアやアホコンサルにはならないでね。
モノづくりという「実業」はその歴史を学ぶところが、改善の一歩目なのです。
まぁ単純なところはIT化勧めますけどね。
あとお役所さん紙で出させないで・・・
施工管理表とか徹夜で書いてるの知ってるでしょ?勘弁してよ…
おわりに
たまに馬鹿にされてる気がするんですわ、Twitterとか見てると。
私コンサルまがいなことやってますけど、「虚業」やと思ってます。
だってお客さんがきちんと全方位学んでれば教わることなんかないですから、
よく「○○様のようなビジネスのお手伝いをさせていただければ・・・」
っていう謳い文句で営業してくる方々いらっしゃいますけど、
ワイより知識やノウハウもってることはあんまりないんや。
モノづくりをやってる会社に対して、モノづくりの知見無しで業務改善ってのは、結構失礼なことだと思います。
相手の話を聞いて、ビジネスを理解して初めて、
「私どもに何かお役に立てることがあるのではないか」と考えて欲しいものです。
私が作った野帳を使っていただいたら、
「なんだよ!もう野帳なんていらねぇな!!!ゴミだ!!!!」
と現場監督が投げ捨てたという話でした。
プライド持てよ。。。