「触ったことないんですけど○○ってできますか」が何故嫌われるか

夏からほとんどblog活動してなかったワイですが、adventcarendarの時期だけ張り切ってる、まるで旬しか市場に回らない「めじかの新子」のような男

あきらです。

 

この記事は、Power Apps Advent Calendar 2022 12月25日(Calendar1)担当分の記事です

本日は(も)Power Apps Advent Calendarの記事となります。

AutomateもBIもありますので見てね!

qiita.com

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アンカーです、イエイ!

長かった。

皆さまに素敵なプレゼントお届けできましたでしょうか?

自分に都合のいい言葉だけ受け取っておきます。

 

 

よく聞くローコード、ノーコード製品の誤解

まずMicrosoft Power Appsは「ローコード」アプリ作成プラットフォームです。

ノーコードでアプリが作れる!というアプリじゃないです。

あくまで「ある程度まではノーコードで」アプリが作れるものです。

よく「全然ノーコードじゃないじゃん!」というお言葉をいただくことがあります。

でもここらへんの人って大体「思ったより難しいじゃん!」って言葉をノーコードローコードのせいにしてる気がします。

 

だけどですよ。

市民開発者である私から、皆さまに問いたい。

そもそもコードってなんやねん、と。

色々言い方があると思うけど、一般的には

コード=コンピュータへの命令を記述した文章

だと思うんですね。

 

だったらですよ。

極論、Excelの関数だってコードでしょうよ。

Power AppsのColorを選択するのもコードでしょうよ。

 

プログラムコードを書く⇒難しい は論理的に成り立つかもしれない

けど

難しい⇒ってことはこれはコードだ!話が違う!

これは必要十分条件を満たしていないと思うわけですね。

 

だから、言うとしたら、

Power Appsは全然ノーコードじゃない話が違う!!!

じゃなくて

Power Appsは自分には難しい!!

だと思います。

 

楽器で例えてみる

私は個人的に楽器を演奏しているんですが、

Power製品やその他の製品もそうですが、

ハードルがそれぞれ違う周期で用意されるんですね。

 

一曲通して演奏する、というハードル

たとえば私の得意なドラム

これは「始める」というレベルはとてもハードルが低いです。

スタジオ行ってドラム借りて、スティックでスネアを大きく叩きます。

ドン

これで始められました!よかったですね!ドラムプレイヤーの誕生です。

そりゃそうです。

叩くって幼児でもできるんです。

 

じゃあ次にハイハット、スネア、バスドラムを使って、8ビートと呼ばれるリズムパターンを叩いてみましょう。

ドンチッタンチッドンチッタンチッ・・・

以外とここまでは1時間程度の練習でできます。

 

1時間も!?って思うかもしれませんが、たった1時間も努力できないなら、あなたの自己評価がどうであれ、あなたは怠惰です。

 

そしてここからが面白いのが、ドラムは基本この8ビートを曲の最初から最後までキープすれば、「俺ドラム叩けるよ!」って名乗っていいです。

ホントです。それで何となく様になります。

 

この一曲通して演奏することができる、というのが一つの基準になります。

 

ではギターはどうか

ギターはまず調弦を覚える必要があります。

ドラムも調弦みたいなセッティングはありますが、別に音がよほどくるってない限り、そのまま叩いても素人が分かるほどの違いはないです。

なぜギターなどの楽器に調弦がいるかというと、音階が顕著にあり、メロディを奏でるものだからです。

 

そして4種程度のコードを奏でるために抑え方を覚えます。

そしてコード進行を覚えるために、結構な時間練習をします。

もちろんリズムキープも必要で、音のボリュームやエフェクト、音の止め方、時には一緒に歌も歌います。

Fコードなんて10時間練習しても足りないとかいいますね。

アルペジオが含まれていたら50時間かかっても一曲弾けないなんてザラです。

 

それぞれのスタートライン

楽器の習得時間に関するblogみたいになってるのでPowerの話をすると、

私は、Power Appsはドラムみたいだなーって思っています。

 

①ドラムで音を鳴らすレベル=とりあえずアプリを作るレベル

ならばExcelテーブル用意してボタン押せばすぐできます。

なんてお手軽のなのでしょう!

な ん と い う こ と で し ょ う !

みたいな呆けた台詞を講習で何度も言うくらいお手軽です。

 

②一曲弾くレベル=自分用の「一覧」「詳細」「編集」の3画面アプリを作るレベル

8ビートを体で慣れ、それをキープすればいい

といいましたがAppsもそんなに変わりないです。

データ用意して、Gallery上でポチポチ

表示フォームでボタンポチポチ

入力フォームでボタンポチポチ

これでできます。

熟練の人間は、たぶん一曲終わるより先にアプリが出来上がっています。

 

③ツーバス、パラディドル奏法、変拍子、BPM200という変態曲を叩き切る

=複数テーブルを使用するアプリをセキュアに大多数が使用するアプリを作る

ここからとてつもなくハードル上がります。

残念ながらプロに任せたほうがいいんじゃない?ってアプリが出てくるのもこの辺。

Excelで勤怠管理作ったことありません?

そんな感じです。

ぶっちゃけ向いてないレベルのものを無理やりローコードで作ろうとしている感じ。

本業じゃないんだから、そんなに頑張るなよ…というレベルのものです。

 

ユーザーフォーラムについて

JPOPのMr.Childrenっているやないですか。

鈴木英哉というドラムの方がいるんですが、

初心者の方はリスナー側で聞いているとすごく簡単に聞こえます。

「こんなん誰でも叩けるじゃんwww」

って言ってるクソガキを昔はよく見かけたものです。

ただあの方は実は技術的に凄まじいのです。

ミスチルの曲は再現性がとてつもなく難しい。

それはドラムを真剣に叩いてみたらレベルの高さがすぐにわかります。

始めたらすぐわかります。

「あ、この曲のドラム難しすぎるだろ…もっと練習がいるな」って

叩かないとわからないんですね。

 

Appsも同じです。

一歩目踏み出したらわかるんです

「あ、この機能作ってみたいって思ってたけど今の知識じゃ無理だな」って

 

よくユーザーフォーラムで出没する、

「○○できますか?まだ触ったことないんですけど。」

という質問がスルーされる理由ですね。

やったことない、ってのは話にならないんです。

だってドラムが目の前にあって、あなたはスティック持ってるのに「これ使ったらXJapan叩けますか?」って言ってるようなもんです。

すぐ試せる。

やってみたら?そうしたらわかるよ。となるわけです。

 

ユーザーフォーラムはユーザーのフォーラムです

 

これほど幼稚な文章を見たことがありますでしょうか。

極論、触ったことのない人はユーザーじゃないと思うんですよ。

いや、まだ触ってない人に門戸を開くのもいいと思いますけどね。

そこは否定しない。

けど今から始めようとするユーザーが質問すべきは、「どうやったら始められますか?」だと思います。

懇切丁寧に教えさせていただきます。

 

個人的な考えとまとめ

ポエミーかもしれませんが、まとめてみる。

日本人は極端に失敗を恐れる人種な気がします。

ものづくり1つとってもそうです。

「前例はありますか?」

この言葉に蕁麻疹出る人って意外と多いんじゃないですか?

私は昔、大手自動車会社に入ってCADを触っていた人間ですが、

耳にタコどころかデキモノのほうが耳より大きくなっちゃうくらい聞きました。

提案という提案をすべてこの言葉で躱されました。

前例があると楽なんです。

なぜなら、それの有用性も、作成する工数も、意義も、大丈夫な理由も、

前任者がすべて書類に示してくれるから。

でもそれらは本来、自分自身が血反吐吐きながら検証を積み重ね、作ったものに対し、有用性があるか何度もテストをして、工数がどんなにかかっても、その過程にプライドや意義を持って、そうした過程を「モノづくり」と呼ぶのだと思います。

仕事ですから、実績を出さなければいけない。

しかしながら実績というのは本来、その人が行ったすべての行動の誇りを、自信をもって華々しく伝えて初めて積まれるものだと思います。

実績のために模倣をするより、自分なりのモノを自信満々に語り、誰にわかってもらえなくても、自分自身がその努力や経過を、認めてあげてほしいのです。

人の模倣を積み重ねても、自分以外の何かができるだけです。

 

真面目に語って蕁麻疹が出そうですが、例えばこの言葉はどうでしょう。

「○○ってPower Appsでできますか?」

よく考えてみてください、答える側の気持ちを。

 

例えば私の友人のこんな記事があります。

koruneko.hatenablog.com

 

これを見た後のあなたは、翌日こんなことを聞かれます。

「Power Apps触ったことないんですけど、ボンバーマン作れますか?」

なんて答えますか?

「作れると思うよ!」

って答えますよね。

 

伝えたいのは、

あなたが今まさに聞いているその言葉も、

「前例はありますか?」

って聞いているのと同じなんです。

 

だって見たことがあるんですから。

誰かが作ったという過去があるのだから。

そりゃ「作れるんだ…」っていう認識になります。

 

ものづくりって言うのは日本では「模倣」を示しているような想いすらあるほど、

組織全体で「まだ見ぬ新しい物」をつくることに否定的になっていたりします。

 

でももっと、根底にある、もっと重要な話。

ものづくりに携わるすべての人たちの話。

創作を楽しむすべての人たちの話。

 

自分の作ろうとしているものが、「まだ見ぬ未知なもの」だったら、

わくわくしませんか?

可能性が広がりませんか?

 

初めて電話を作った人は

「遠くにいる恋人といつでも会話がしたい」

そういう思いを持って電話を作ったと私は思います。

 

そういう思いで「○○ってできますか?」って聞いているのではないのですか?

出来なかったらやらないんですか?

皆ができないと思っていることには挑戦しないんですか?

新進気鋭の若手が「挑戦してみたらできちゃった!」と記事を発行して、

それを見て「出来ないと思ってたのに…嘘つき!!!」って言っちゃうんですか?

「俺も昔やろうとしてた」って斜に構えて大人ぶって、新進気鋭のアーティストが売れてから、「売れる前から知ってたよ!フフン」って、よくわからないベクトル方向の自慢でもしちゃうんですか?

 

なので私にこんな質問をしてきた方。

せっかく質問してくれて、大変ありがたく思っております。

回答してなかったので、改めて大声で回答しておきます。

「やれば出来るんじゃない?知らんけど!!!!」

 

メリークリスマス